高齢者が歩行困難になる原因

高齢になると、身体の様々な機能が衰えてきます。
老化による衰えの中でも代表的なものが、足腰の筋肉の衰えです。
下半身の筋肉は、上半身の筋肉に比べて3倍も衰えやすいといわれており、下半身の衰えは老化現象と深く関わっているといえるでしょう。

また筋力だけでなく、体のバランスをとる機能や、足の裏の感覚も鈍くなります。
そうなると体が安定しない上に、足の裏でしっかりと地面を支えることも難しくなります。
このような理由で高齢になると、歩くのが困難な人が増えるのです。

若者など元気な人は無意識に歩いていますが、歩くという行動は複雑です。
脳からの指令が受けた筋肉や骨、関節が適切に動かなければきちんと作動しません。
筋肉や骨、関節といった運動器官はもちろんのこと、脳機能、脳からの指令の伝達路である神経のいずれかの機能が低下しただけで、体が思うように動かせなくなり、歩くのが困難になるのです。
血管・心臓系などの疾患により、脳や神経系統に支障をきたし、歩行が困難になる高齢者も少なくありません。

歩行が困難になってしまうと歩行介助を受けるようになります。
歩行介助は一見簡単そうですが、正しく行わないと転倒などの事故に繋がる可能性のある行為です。
介助を受ける側だけでなく、介護を行う側も怪我を負う危険性があります。
なるべく危険を減らすためにも、一緒に住む家族には歩行介助の注意点やコツを知ってもらう必要があるでしょう。
(歩行介助の詳細:http://hokokaijyo-master.net

これからも元気に過ごすためには、早い時期から歩く習慣をつけて、筋力の低下を防ぐことが大切です。
一般的には、65歳を過ぎた頃から、歩く速度が遅くなり始め、男性の場合は80歳、女性の場合は75歳を過ぎた頃から、日常生活に支障をきたす衰えが現れる人が増えてきます。
特に女性は、男性に比べて筋肉量が少なく、骨粗鬆症のリスクも高いですから、歩く機能が低下しやすいので予防対策をしっかり行いましょう。