高齢になると筋肉の衰えなどにより、歩く能力が低下します。
しかし、幾つになっても健康に過ごすためには、歩く能力を向上させることが重要です。
なぜなら歩くことは、ヒトにとって最も基本的な動作の1つだからです。
トイレなどに移動する、掃除などの家事をする、お店で必要な品物を購入する、外出して人と会うなど、日常生活で歩く動作は欠かせません。
歩く機能が衰えると、行動が著しく制限されて、日常生活を送るのに支障をきたします。
その結果、筋肉が衰えてますます歩けなくなり、介護が必要になったり寝たきりになったりしてしまうリスクが高まるのです。
高齢になっても自立した生活を送るためには、歩く機能をいかに維持し、低下させないかが重要となります。
歩くことで筋肉の衰えを予防するだけでなく、病気のリスクを低下させる効果も得られます。
歩行は有酸素運動ですから、心肺機能を高める、血管を強くするなど、成人病疾患の予防に特に効果的です。
また、リラックス効果やストレス解消効果もあり、うつ状態を改善して前向きで明るい気持ちにしてくれるのもメリットです。
さらに、歩いて外出することで、人と接触する機会が増えます。
歩けなくなるとどうしても家に籠もってしまいますから、人と接する機会が極端に減り、気持ちが落ち込むなど精神的な悪影響が生じます。
その結果、うつ病や認知症を引き起こすことがあるのです。
身体面だけでなく精神面の健康を維持・向上させるためにも、高齢者にとって歩行は、非常に重要な意味を持っています。